アメリカ農務省世界需給予測の予想 2021年5月
こんばんわ。白戸則道です。
次のアメリカ農務省レポートに向けて、事前に言われている市場予想についてまとめます。
次回発表は5/12(水)日本時間午後10時
毎月発表されるアメリカ農務省による月次レポートが明後日の夜発表されます。農務省レポートが何なのかについては以下記事をご参照ください。
今月から21/22年度の需給も発表
穀物年度として、大豆・コーンは9月1日から8月31日を一年度とし、小麦は6月1日から5月31日までを一年度とします。今月の発表から2021年9月1日から2022年8月31日の間に流通する作物の需給バランスについての予想値も発表されます。つまり、現在作付中の作物がどのくらい収穫されるのか、というのが主なポイントになります。まだ植わってもいないので少し気が早いといえばそうなのですが。
20/21年度の需給バランス予想
アメリカ国内期末在庫は減少予想
コーン、大豆、小麦ともに前月発表値よりも減少すると市場関係者は予想しています。これは主に中国向けの輸出需要が旺盛であるという見方から輸出数量が伸びるであろうという見立てから来ているものです。
ブラジル、アルゼンチン生産量減少予想
ブラジルの乾燥気候が懸念されており、コーン生産量が減少する見込みです。前回公表値では109百万トンであったものが、100万トン程度まで減少する可能性有ります。
世界期末在庫もタイト化する予想
生産量の減少に伴い、世界期末在庫の減少の可能性有り。特に大きな要素はやはりブラジルのコーンの減産幅となりそうです
21/22年度の需給バランス予想
アメリカのコーン大豆の作付面積が発表されることになるわけですが、現在の相場の高騰を考えるとある程度農家の作付が増えることも可能性としてはありそうです。相場の参加者としてもコーン・大豆については作付が増える→生産量も増えるという発表を期待している状況です。
現時点では市場関係者の予想として、大豆・コーンは期末在庫は前年度よりも増えるだろう、という希望的観測になっています。中国による需要の増加はあるものの、彼らも自国生産量を増やす可能性は高いですし、政府もそのようにコメントを出しています。ある程度改善する可能性はありそうです。
まとめ
今回の発表の肝は、コーンの生産量特にブラジルの減産の影響、そして中国のコーン輸入量かと思います。大豆もかなり期末在庫はタイトなのですが、ある程度相場に織り込まれており、サプライズ要素は出にくいのではないかと思います。とはいえ、想定外だからこそ、サプライズであり、サプライズはないと思っていたら、とんでもないサプライズが出ることもあるのですが。明後日の夜の発表を見てから、次のポジション取りについて検討することにしたいと思います。