商品先物投資のススメ

大手商社穀物担当が副業としての”商品先物投資”を解説します

ブラジルコーン減産 3年ぶり1億トン割れ

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こんにちわ。白戸則道です。

本日はブラジルのコーンの減産について、新しい数字が出てきましたので、情報を更新したいと思います。

ブラジルは世界有数のコーン生産国

以下記事にも、まとめましたが、ブラジルは毎年1億トンを超えるコーンを生産しており、世界有数の生産国です。 世界で11億トンの生産のうちの約1割、世界貿易1.8億トンのうちの約2割を占めます。

sakimono-toushi.hatenablog.jp

 

現在二期作コーンが旱魃にやられ中

しかしながら、現在ブラジルに旱魃が来ており、二期作目のコーンが乾燥にやられており、生産量見込みはじわじわと下方修正されてきております。

sakimono-toushi.hatenablog.jp

 

過去3年ぶりに1億トンを下回る見込み

アメリカ農務省も毎月の世界需給予想において、4月から5月への変更の際に下げていますが、他の調査会社も軒並み生産量見込みを下げてきています。

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ブラジルコーン生産量見通し(調査会社予想比較)

いくつか歯抜けになっていますが、複数の調査会社の数字を表にまとめてみました。元々の市場のコンセンサスは昨年と同等か、それ以上の1億トン越えを見込んでいたのですが、旱魃による影響で二期作コーンの生産量が減少するという見通しで、各機関が生産量見込みを大幅に減らしています。各社数百万トン規模での減少になっております。

そしてこれはダイレクトに輸出量の減少に響くものになります。輸出量も数百万トン規模での減少が予想されます。

まとめ

現在、アメリカのコーンの作付が順調に進捗していて、相場は安心感から一時の高値から下落してきています。しかしながら、今後のブラジルのコーンの減産の実態がどうなるか次第では、再びシカゴコーン相場が高騰するというシナリオもありそうです。値動きの荒い環境はしばらく継続されそうな様相です。